火災保険を利用した詐欺師!?の正体

悩んでいる人

業者さんが訪問してきて「火災保険を使えば無料で修理できる」って言われたけど、大丈夫なの?詐欺じゃない?誰か教えてほしい。

という方向けの記事です。

ネカホ屋さん

最近、多いみたいですね。正体を解説します。参考までに。

得体の知れないものってイヤですよね。まさに保険がそうですが、急に現れた修理業者もまた得体が知れないですよね。

急に現れた修理業者に対するモヤモヤを少しでも解消していきましょう。

この記事でわかることは..

  • 突然電話や訪問してきた業者の正体
  • その業者への対応方法
  • いざ火災保険をつかう時の注意点

その前に、火災保険とは何なのかを知りたい方はこちら→【火災保険とは?】

目次

火災保険を利用した詐欺師!?の正体

正体は、ただの業者さん

結論、ほとんどの場合、心配は不要です。

ただし、注意点はあります。また、訪問してきた人の素性や目的を知ることができれば、安心できますよね。

そのあたりをまとめてみました。気になる方は、以下、参考にしてください。

すこし長いかもしれないので、不要な項目は飛ばしてください。

それでも心配に思う事

詐欺師なのでは?

詐欺師ではありません。正体は、次の項目【正体は、修理業者or修理仲介業者】に書いてありますので、参考にしてください。

火災保険を使うと何かデメリットがあるのでは?

デメリットはありません。契約者は、お金を払って保険に入っています。たまたま不幸が起きて保険を使う事に、誰も文句は言えません。

自動車保険とちがって、直接的なデメリットはありません。

自動車保険は「等級制度」があるので、厄介ですよね。

等級制度とは

自動車保険は、1~20の数字が契約者に割り振られています。レベルのようなものですかね。スタートは6から、20へ向けて数字が上がっていくと、保険料が安くなります。逆に、数字が下がっていくと保険料が高くなります。

いくつか種類がある自動車保険割引の一つです。

保険を使うと、数字が下がってしまいます。なので、自動車保険を使う事は、デメリットにもなります。

正体は、修理業者or修理仲介業者

いったい何者なのか、それぞれ解説します。

修理業者とは?

修理業者の正体は、建設業者さんです。

建設業者とは、建築・大工、土木工事や電気工事などをおこなう職人さん。実際に自宅を修理する人です。家を建てる時はもちろん、家のメンテナンスの時もお世話になりますよね。

修理仲介業者とは?

修理仲介業者の正体は、いわゆるセールスマンです。

火災保険を使ってもらうセールスです。火災保険を使う事をすすめて、了承してもらったら、修理業者に修理を依頼します。

仲介業専門でやっている方もいれば、建設業関連・不動産関連などの仕事をしながら空いた時間にやっている人もいます。

修理業者が修理仲介業を一人二役でやっているケースもあります。自分で売り込んで、自分で修理してしまう、そんな人もいます。

修理業者と修理仲介業者の、目的は?

修理業者の目的は?

修理というサービスを提供して、お金を稼ぐのが目的です。

会社員の方は、勤務先が提供する何かしらのサービスがありますよね。そのサービスから生まれるお金を、給料として稼いでます。

公務員の方は、国民や市民のために様々なサービスを提供して、給料としてお金を稼いでいます。

修理仲介業者の目的は?

修理業者と同じで、仲介というサービスを提供して、お金を稼ぐのが目的です。

お金を稼ぐためのやり方が“ふつう”と違う

目的は、ともにお金を稼ぎたいだけです。生活するためには、当たり前の事ですよね。

ただ稼ぐためのやり方が“ふつう”と違います。

ふつうならば、業者さんは、お客様のお金から修理代金を払ってもらいます。けれども、お客様の入っている火災保険の保険金から修理代金を出してもらおうとしているのです。

修理業者と修理仲介業者のセールス文句

火災保険を使えば、無料で修理ができますよ

急に業者が訪問or電話してきて、このように言われると思います。

このまま応じてしまっていいの?と心配になりますよね。

安心してください、大きな心配は不要です。

応じたその後どうなるのか、下の方の項目【火災保険を使って修理する流れ】で解説します。

修理する箇所はどこ?

屋根や雨どいなどです。台風や大雪によって、自宅の一部が「壊れたり」「汚れたり」「なくなって」しまうことがあります。

火災保険が使える理由

火災保険は、火事が起きた時に使える保険でしょ?

いえ、火事はもちろん、台風や大雪などの自然災害による「壊れる」「汚れる」「なくなる」にも使えます。

火災保険という名前がややこしくさせているのですが、自然災害以外にも実はいろいろ使える保険なのです。

「壊れる」「汚れる」「なくなる」のおおまかなイメージをつかみたい方→【火災保険とは?】

火災保険の補償内容について→火災保険の補償範囲【内容編】

火災保険をつかって修理をする流れ

パターンは大きく分けて2つです。

  1. ネット保険、共済に入っている = 保険代理店はいない
  2. 保険に入っている =保険代理店がいる

保険代理店とは、契約者と保険会社の間にいる存在です。よく言う保険屋さんですね。契約者のために、契約者に代わって保険会社とやりとりをしたり、いろいろサポートする立場です。

流れをみていく前に、登場人物の整理をします。

パターン①の登場人物は、契約者、修理業者、修理仲介業者、ネット保険会社(共済会社)です。

登場人物何者?
契約者火災保険に入っている
修理業者火災保険を使って、修理する
修理仲介業者火災保険を使って、修理をすすめる
ネット保険会社
(共済会社)
保険金=修理代金を渡す

パターン②の登場人物は、契約者、修理業者、修理仲介業者、保険会社、保険代理店です。

登場人物何者?
契約者火災保険に入っている
修理業者火災保険を使って、修理する
修理仲介業者火災保険を使って、修理をすすめる
保険会社保険金=修理代金を渡す
保険代理店契約者をサポートする

それでは、おおまか流れをみていきます。

パターン①:保険代理店はいない

STEP
修理業者または修理仲介業者が訪問 or 電話してくる

修理業者または修理仲介業者が、契約者にセールスをして、火災保険を利用した自宅の修理をすすめます。

STEP
ネット保険会社または共済会社に問い合わせる(保険金請求)

契約者が、ネット保険会社または共済に問い合わせて、保険を使いたいと伝えます。

ネット保険会社または共済会社から準備するよう案内された「書類一式」を、ネット保険会社または共済会社宛てに提出します。

修理業者(修理仲介業者)は火災保険の勉強をある程度している可能性が高いので、保険金請求のサポートをしてくれるかもしれません。

STEP
保険金を受け取る

保険会社が書類一式を確認して、認定すれば、後日、契約者の口座に保険金が振り込まれます。

STEP
修理代金を支払う

後日、受け取った保険金で修理代金を支払います。

STEP
自宅の修理をしてもらう

修理代金を受け取った修理業者は、自宅の「壊れて」「汚れて」「なくなって」いる箇所の修理をします。

パターン②:保険代理店がいる

保険代理店がいないパターンとの違いは、STEP2です。ネット保険会社や共済会社に問い合わせるのではなく、保険屋さん問い合わせます。

STEP
修理業者または修理仲介業者が訪問 or 電話してくる

修理業者または修理仲介業者が、契約者にセールスして、火災保険を利用した自宅の修理をすすめます。

STEP
保険代理店に問い合わせる(保険金請求)

保険の担当者がいますよね。サポートしてくれる立場ですから、相談してみましょう。

右も左もわからない時に相談できる人が身近にいるといいですよね。せっかく保険屋さんがいるのですから、まずは相談してみましょう。

契約者の代わりになって、保険代理店が保険会社とやりとりをして、保険を使うための準備をします。

保険代理店から準備するよう案内された「書類一式」を、保険代理店に提出します。保険代理店は書類をチェックして、契約者の代わりに保険会社に提出します。

このあたりは、契約者に代わって保険屋さんがいろいろ動いてくれるはずです。

※契約者から保険会社に直接、提出するケースもあります。

STEP
保険金を受け取る

保険会社が書類一式を確認して、認定すれば、後日、指定の口座に保険金が振り込まれます

STEP
修理代金を支払う

後日、受け取った保険金で修理代金を支払います

STEP
自宅の修理をしてもらう

修理代金を受け取った修理業者は、自宅の「壊れて」「汚れて」「なくなって」いる箇所の修理をします。

注意点

保険金の注意点

保険金はもらえたけど、修理代金の全額分はもらえなかったケース

保険金は、絶対に全額が認められるわけではありません。つまり、不足した分は契約者の自己負担になる可能性があります。

けれども、修理業者さんがその分を値引きする事が多いかもしれません。また、多くのケースは、全額認定されます。

修理業者の注意点

関係のない修理を勧めてくるケース

自然災害と関係のない「壊れた」「汚れた」「なくなった」箇所の修理を勧めてくることがあります。その修理代金は、保険とは関係ありませんので、自己負担になります。

自己負担だとしても本当に修理したい気持ちがあるのでしたら、まったく問題ありません。しかし、希望しなければ、しっかり断りましょう

修理仲介業者の注意点

保険金はもらえたが、修理仲介業者の手数料分が不足するケース

当然、修理仲介業者の手数料は、修理代金に含まれています。もしも、さきほどのケースのように保険金が不足していた場合、不足分つまり修理仲介業者の手数料を、修理仲介業者が求めてくる可能性があります。

けれども、修理仲介業者と修理業者は、協力関係にある仲間です。おそらく、仲間内で修理代金をうまく分け合うはずです。

しかし、矛先が契約者に向かい、不足分を求めてくる可能性がないとは言い切れないですよね。

じゃあ何が問題になっているの?

ひとまず契約者にとって大きな問題がないのであれば、誰にとって問題になっているのでしょうか?

保険会社や共済会社、その次に保険代理店です。

「相互扶助の仕組み」と「損害率」という保険用語があります。この2つに悪い影響をあたえていることで、保険会社、共済会社や保険代理店が頭をかかえています。

回りまわって、契約者の問題にもなり得ますので、参考にしてください。

相互扶助の仕組みとは

多くの契約者から少しずつお金を集めて、不幸が起きた方に大きなお金を渡す仕組みです。

詳しくは→相互扶助の仕組み

火災保険とは?にも触れていますので、そちらも参考にしてください。

損害率とは

不幸が起きた方に渡すお金÷契約者から少しずつ集めたお金、の割合をいっています。1年ごとに計算されます。

家計に置きかえると、分子は支出、分母は収入ですね。家計とおなじように、支出が多くなると、会社のお金のやりくりが立ちゆかなくなります。

※保険会社から見たお金のやりくりです。

保険会社や共済会社にとっての問題

会社経営が不安定になる

会社経営が不安定になると、どうなるでしょうか?

会社のお金のやりくりが大変になって、保険料を値上げします。すでに保険料が値上げされていますよね。嫌ですね…

保険代理店にとっての問題

保険会社によって収入を減らされてしまう

保険代理店は、保険会社によって毎年、通信簿を付けられています。いくつかの科目を100点満点でチェックされているのです。成績が落ちると、保険代理店の収入=手数料を下げられてしまいます。

その科目の一つが「損害率」です。

保険代理店ごと、つまり、保険代理店が担当している契約全体を分母にして、「損害率」を計算します。

損害率が著しく悪くなると、保険代理店は、生活のためのお金が減らされてしまいます。

保険代理店と携帯ショップは似ています。携帯ショップは、携帯会社の代理店です。携帯ショップもまた、携帯会社によって「iPhone販売数」という科目の成績をチェックされているかもしれません。

ただし収入が減らされてしまうのは、著しく悪くなった場合の話。また、科目は複数あるので、「損害率」以外の科目でカバーできるようになっています。

保険代理店が「損害率」を気にして、契約者のサポートを放棄することは無いはずです。

明らかな不正行為などはサポートがむずかしいと思いますが、そうでなければ保険代理店を頼ってみてください。

問題を生み出している原因

いつ・何が原因なのか不明瞭

「壊れている」「汚れている」「なくなっている」のは、いつ・何が原因?

いつの台風や大雪ですか?それ、本当に台風や大雪が原因ですか?

と、疑われてしまうのも仕方ないかもしれません。でも真実は誰もわからないですよね。

修理業者と修理仲介業者は、ここに目を付けているのだと思います。

台風や大雪が去った後、すぐに屋根や雨どいをチェックする人っていますか?

すぐに雨漏りがあればチェックするかもしれませんが、そうでなければしませんよね。数年経って気づくのが普通だと思います。

結局どうしたらいいの?

相談する

保険会社や身近な人にまずは相談してみましょう。

損害保険協会という組織が、注意喚起をおこなっています。サイトを参考にするのも良いかもしれません。

損保保険協会「住宅の修理などに関するトラブルにご注意」

モラルを持つ

モラルを持てなんて鬱陶しいですが、なるべく徳を積んだ方が人生良くなる気がするようなしないような…

保険の仕組みや、保険会社が頭をかかえている理由を知れば、自分事に置きかえられるかもしれません。

保険は、不幸が起きた方にお金を給付するサービスです。実際は台風や大雪が原因なのかわからないにもかかわらず保険を使うのは、良いとはいえませんよね。

保険の仕組みを知る

ここでいう保険の仕組み=「相互扶助の仕組み」あるいは「損害率」です。毎月毎年の保険料が上がるなんて御免です。回りまわって自分に返ってくる、可能性はあります。

堂々と保険を使う

たしかに台風や大雪が原因であれば、堂々と保険を使うべきです。

人によっては決して安くはない、保険料を毎月毎年払っていますよね。契約者としての義務はほどんど果たしていますので、何か実際に不幸があったならば、堂々と保険を利用していいと思います。

まずは、保険会社や保険代理店、身近な人に相談してみましょう。

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