火災保険の補償範囲【免責編】~補償されないケース~

悩んでいる人

火災保険はどこまで補償されるの?どんな時に補償できないの?

という方向けの記事です。

ネカホ屋さん

完璧な人っていないですよね。火災保険も同じです。火災保険ができない事を見ていきましょう。

この記事でわかることは..

  • 火災保険で補償されるもの
  • 火災保険で補償されないもの(補償されないケース)

その前に、火災保険の基本を知りたい方は→【火災保険とは?】

火災保険の“できる事”を知りたい方は→【火災保険の補償範囲【内容編】】

目次

補償されないケースの前に…

そもそも何が補償されるの?

自宅、家財、門・塀・垣、屋外設備、庭木

自宅、家財に何かあった時に、火災保険が使えます。つまり、自分の「財産」が補償されます。

自宅敷地内にある、「門・塀・垣」「屋外設備」「庭木」も補償されます。屋外設備とは、自宅の外、かつ、敷地内にあるもの。たとえば、車庫(カーポート)です。

「元通り」にするためのお金

もうすこし具体的にいいますと、不幸に遭われた財産を「元通り」にするための「お金」が補償されます。

どんな時に補償される?

5つの不幸カテゴリー

  1. 火災、落雷、破裂・爆発
  2. 風災、雪災、雹災
  3. 水災
  4. 盗難、水漏れ等
  5. 破損、汚損等

火災保険でいう不幸とは、財産が「壊れる」「汚れる」「なくなる」状態になった時

でも、何も起きていないのに「壊れたり」しませんよね。不幸になる原因が必ずあります。

大きく分けて5つの原因があります。補償される時とは、その原因が起きた時、とも言えます。

5つの不幸カテゴリーをもうすこし詳しく知りたい方は→【火災保険の補償範囲【内容編】】

どんな時に補償されない?(免責)

ここからが本題です。

ネカホ屋さん

保険会社の免責例を一つ一つ見ていきましょう。

保険で補償されない事を免責といいます。「保険会社が任をれる事柄」を漢字2文字で表しています。主語が保険会社なのがややこしいですよね。保険会社は、できない事を先に伝えているんです。

自動車保険にも免責がありますね。自動車保険でよく聞く免責は、「免責金額」です。保険会社が○○円は責任を免れるようになっています。つまり、○○円は契約者の自己負担になります。

免責という言葉は、「事柄」と「金額」の両方に使います。

自宅(建物)編

自分の責任

故意(わざと)

言われなくても分かりますよね。わざとはダメです。

窓の開けっぱなしで雨風が入る

雨風で自宅の中が「汚れる」のは補償できないの?と思いますよね。汚れる原因が問題なんです。

  • 自分の責任で雨風を入れてしまった。

雨風が入る原因は、自分で窓を開けっぱなしにしていた事なので、ダメです。

  • 台風などで窓が割れて雨風が入った。

雨風が入る原因は、台風などでモノが飛んできた事なので、良いんです。

これはお手上げ

経年劣化

これは防げません。

戦争中、市民暴動中

戦争中、市民が暴れまわっている中で起きた財産の「不幸」は、自宅1軒の不幸で収まらないですよね。一度に何百軒何千軒の「不幸」が起きたら保険会社も大変なので、補償できないようになっています。

核、放射能

戦争中、市民暴動中とおなじ理由です。核爆弾が落とされて、自宅1軒では済まされません。

国が動く

国が動いて、たとえば財産を差押え、収用、没収などしたことで「壊れたり」「汚れたり」した場合。

悔しい

ねずみ食い・虫食い

知らない間に害獣・害虫に自宅が「壊されて」「汚されて」いたら嫌ですね。保険以外で対策しましょう。

不良品

財産がそもそも不良品だった場合です。

不幸中の現金・通帳の紛失

5つの不幸カテゴリーのうち、「盗難」以外の不幸中に、泥棒などが現金・通帳を盗んだ場合です。

たとえば、火事が起きている間。お金より命が大事ですから一目散に逃げますよね。泥棒が、その隙をついて現金を盗んだとします。この場合、補償できないようになっています。

現金が「なくなった(燃えた)」原因は、火事なのか泥棒なのか、曖昧だからかもしれません。

単純に「盗難」された時は、5つの不幸カテゴリーのうちの「盗難」の補償を付けていれば、大丈夫です。

ただ金額の限度があるので、注意してください。大体、現金30万円、通帳500万円分までの限度があります。

業者のミス

業者さんが、自宅の増築・改築・修繕・清掃・点検などをおこなって、「壊れたり」「汚したり」した場合。

業者さんの責任ですから、業者さん、あるいは、業者さんの保険で対応してもらいましょう。

詐欺・横領

悔しいですが、詐欺・横領もダメです。自己防衛をしっかりして、怪しいと思ったらしっかり断りましょう。

興味のある方はこちらも参考にしてみてください→【火災保険を利用した詐欺師!?の正体】

土地が悪い

土地の沈下、移動、隆起

土地のせいで自宅が「壊れたり」した場合、ダメなんです。

リスクが高いから

水道管が凍結

北海道など北国によくある話ですが、水道管の凍結が多いみたいです。度々補償すると保険会社も大変なので、ダメにしているのだと思います。

その他

機能上は問題ない

見た目が「壊れたり」「汚れたり」しているけれど、“使える”場合です。

たとえば、自宅に何年か住んでいれば屋根や壁に多少は傷が付くものですよね。そういったものはダメということです。

別の保険(特約)で対応する

自宅設備の故障

自宅設備の「故障」は、ダメです。「壊れる」と何が違うの?と思いますよね。「壊れる」は5つの不幸カテゴリーが原因で壊れた場合、「故障」は自宅設備自体が壊れた場合です。

もうすこし詳しく知りたい方は下記のリンクを参考にしてみてください。

自宅設備とは→電気的・機械的事故補償特約を参照ください。

地震・噴火・津波

これらは、地震保険で対応するようになっています。

地震保険とは?

家財編

自分の責任

置き忘れ、紛失

自宅外に持ち出した時の話です。家財は基本的に自宅にあるものなので、外に持ち出して失くすのはダメなんです。

別で「携行品特約」という特約を契約すれば補償できます。

→【あとからでも追加したい、火災保険のおすすめ特約は?

リスクが高すぎるから

電球

電球は「壊れ」やすいですよね。リスク=頻度が高い不幸は補償されません。

楽器の弦、皮

楽器の弦、ピアノ線や太鼓の皮など。

通信機器

スマホ、タブレットなど。

身体補助器具

メガネ、コンタクトレンズ、補聴器、義歯、義肢など。

その他

外に持ち出した時の不幸

5つの不幸カテゴリーが起きたとしても“敷地内”であればOKですが、“敷地外”はダメなんです。

ちなみに、“敷地内・敷地外”ルールは以下のとおりです。自宅の軒先の内側に家財がある=“敷地内”。自宅の軒先の外側に家財がある=“敷地外”。

保険会社によっては、軒先の外側に家財があったとしても自宅敷地内ならば=“敷地内”と認められる場合があります。けれども、基本は軒先の内側=“敷地内”=補償される、と覚えておきましょう。

家財編②

火災保険の「家財」にならないもの

  • 乗り物(自動車、船、飛行機) 
  • カード類(クレジットカードなど)
  • 書類(設計書、証書、帳簿など)
  • 生物(動物、植物)
  • 形のないもの(データ、ソフトウェアなど)
  • 法令によって禁止されているモノ(薬物など)

これらは「家財」として扱われないんです。なので、補償されません。

乗り物(自動車、船、飛行機)は、それぞれ自動車保険、船保険、飛行機保険で入るようにすみ分けされています。

まとめ

火災保険を整理

これまでのおさらいです。

  • まずは、火災保険で補償される財産とは?
  • もうすこし具体的に、何が補償される?
  • 補償される時とは?
  • 最後に、補償されないケースとは?

まずは相談

保険会社は「できない事」を「免責」で表しています。逆に、できる事は曖昧にしている場合があります。

まずは、できるのかできないのか、保険会社や身近な人に相談するといいですね。

保険を申請してみる

保険会社は、当然、不幸に遭われた人を助けるスタンスでいます。

本当は「わざと」「経年劣化」なのに、保険を使う人が少なからずいると思います。この事が、保険会社が保険を使うハードルを上げている一因かもしれません。

けれども、本当に「不幸」に遭った方は助けたいんです。保険会社の最大の役目ですから、当然ですね。

契約者は、お金を払って火災保険に入っています。「不幸」に遭った方は、堂々と、保険を使いたいと申し出ましょう。

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