
地震保険を検討中。でも本当に必要なの?いらない気もしている。初心者でもわかりやすく、まずは地震保険をざっくりでもいいから知りたい。
という方向けの記事です。



保険てほんと小難しいですよね。なるべくわかりやすく理解できるように、地震保険とは何なのか、基本をまとめてみました。
地震保険に入るための最初のステップです。いっしょにモヤモヤを無くしていきましょう。
この記事でわかることは..
- 地震保険が必要か不要か判断するためのヒント
- 地震保険の概要
- 災害が起きて、地震保険を使う場合のシミュレーション
ついでに、火災保険の基本的なところを知りたい方は→【火災保険とは?】
ついでに、火災保険の基本補償内容を知りたい方はこちら→【火災保険の補償範囲【内容編】】
ついでに、火災保険ができない事を知りたい方はこちら→【火災保険の補償範囲【免責編】~補償されないケース~】
【地震保険】とは?必要か不要か判断材料が欲しい。
結論…
- 地震保険が無くてもいい人 = 貯金が十分にない人や住宅ローンがまだまだ残っている人
- 地震保険があってもいい人 = 貯金が十分にある人や住宅ローンがないor残りわずかな人
地震保険を一言でいうと?
「財産」に不幸が起きた時に、お金を受け取れるサービスです。
ここでいう財産とは、 「自宅&家財」です。保険をかける対象ですね。


「不幸」って?
地震保険でいう不幸とは、自宅&家財が「壊れる」「なくなる」「傾く」「水に浸かる」状態。地震保険の専門用語でいうと「損害」のことです。
火災保険では不幸=「壊れる」「汚れる」「なくなる」ですが、地震保険はすこし違いますね。→【火災保険とは】




→「壊れる」「なくなる」「傾く」「水に浸かる」には、必ず原因があります。どのような原因があるのか。下の方の【「壊れる」「なくなる」「傾く」「水に浸かる」その原因は?】に詳しく書いてあります。
「お金」って?
地震保険でいうお金とは、「当面の生活費に充てる」ためのお金。



当面の生活費?地震保険でもらえるお金って火災保険の半分なんでしょ?建て直すには少ない。地震保険て意味ないよ。



よく誤解されるんです。保険てほんと分かりづらいですよね。実は、そもそも地震保険と火災保険は目的がちがうんです。
地震保険は、当面の生活費に充てるための保険なんです。
- 当面の生活費とは
-
たとえば、自宅の建て直し・修繕費用、家財の買い替え費用、仮住まい費用。
お金が出ていくだけではありません(=支出増)。仕事がままならなくなって収入が減ってしまうかもしれません(=収入減)。十分な仕事復帰までの収入減を補うためのお金、など。
地震保険は、保険会社と国(財務省)が共同でつくっている保険です。国(財務省)も地震保険は当面の生活費に充てるため、と言っています。


ちなみに火災保険は、壊れたり汚れたりなくなった自宅&家財を「元通り」にするためのお金がもらえます。もうすこし具体的にいいますと、修理費、清掃費、再建築費です。
地震保険と火災保険の目的はちがう。
「不幸」=「壊れる」「なくなる」「傾く」「水に浸かる」その原因は?
「不幸」とは、財産である自宅や家財が「壊れる」「なくなる」「傾く」「水に浸かる」ことでしたよね。
地震保険は、「不幸」になっと時に、お金を受け取れます。
その「不幸」になる原因があるはずですよね。
地震保険でいう「不幸」の原因の具体例をみていきましょう。
原因は、4つだけです。
原因その1:地震
たとえば、地震が起きて、自宅にヒビが入ったり、自宅が傾いたり崩れたりするかもしれません。
「壊れる」「なくなる」「傾く」状態になる可能性がありますね。


原因その2:噴火
噴火の被害を受けた時、自宅はどうなりますか?
噴火による岩石などの噴出物が自宅を直撃したら、ひとたまりもありませんよね。「壊れる」あらいは「なくなる」状態になる可能性があります。


原因その3:津波
東日本大震災は、多くの人にとって記憶に新しいと思います。
津波によって自宅や家財は一瞬で流されました。
「壊れる」「なくなる」「傾く」「水に浸かる」すべて可能性がありますね。


原因その4:地震が原因の火災
火災だから火災保険の話じゃないの?
地震が原因の火災は、地震保険の話になるんです。ややこしいですね。
地震が原因の火災も「壊れる」「なくなる」状態になる可能性がありますね。


地震保険と火災保険の比較
火災保険 | 地震保険 | |
目的(なぜ) | 「財産」に不幸が起きた時に、お金を受け取るため。 | 「財産」に不幸が起きた時に、お金を受け取るため。 |
目的(なぜ) | 少しのお金(保険料)で 大きなお金(保険金)を補償してもらうため。 | 少しのお金(保険料)で 大きなお金(保険金)を補償してもらうため。 |
目的(なぜ) | 財産を「元通り」(修理費、清掃費、再建築費)にするため | 当面の生活費のため |
いつ | 「不幸」が起きた時 | 「不幸」が起きた時 |
不幸の原因 | 火災など | 地震・噴火・津波・地震が原因の火災 |
なにを | お金を(保険金)をもらう | お金を(保険金)をもらう |
保険金額① | 火災保険金額(例:2000万円) | 火災保険金額の最高30~50%(例:600~1000万円) |
保険金額② | 建物ごとの再建築費の分(例:3億円) | 自宅:最高5,000万円、家財:最高1,000万円 |
保険金額➂ | 実費補償 | 定額補償 |
保険期間 | 最長5年 | 最長5年 |
保険料の決まり方 | すこし複雑 | シンプル ※下の方の【保険料はいくらかかる?】に書いてあります。 |
契約方法 | 単独契約OK | 単独契約NG(火災保険とセットで) |
どこで契約 | 保険代理店orインターネット | 保険代理店orインターネット |
地震保険を検討するための2つの考え方
地震保険に限らないですが、自分にとって必要な保険を検討するための考え方が2つあります。
この考え方を理解すると「保険とは何ぞや」が分かってきます!
1つ目の考え方:相互扶助(=保険会社が提供するサービス)
考え方の1つ目は、少しのお金で大きなお金を補償してもらうこと。保険の種類を問わない共通の考え方です。
保険会社が提供するサービスとは、少しのお金を多くの方から集めて、不幸が起きた方に大きなお金を給付するサービスです。
これがよく聞く?「相互扶助」ってやつですね。


相互扶助のメンバーは、契約者です。多くのメンバーを取りまとめているリーダーが保険会社、という感じです。


あとで書かれている【地震保険の全体像】でこの考え方を使います。
ちなみに、その金額が少しかどうか、大きいかどうかは、自分次第です。
2つ目の考え方:移転すべきリスク(=保険に入っておくべきリスク)
考え方の2つ目は、金額が大きいと思う事柄は、移転すべきリスクということ。移転する=保険に入る。
リスクとは何でしょうか?
「危険」「危険性」?
ここでいうリスクとは、「損失×確率」です。どれぐらいの確率でどれだけ失うか。
何を失うのでしょうか?
失うものは、「お金」です。つまり、「「不幸」が起きることで失うお金×確率」
生きていくにはなんだかんだお金が必要だ。
生きていると、「○○になってしまうかもしれない」といういろいろなリスクがありますよね。たとえば「明日死ぬかもしれない、病気になるかもしれない」。そのほか「リストラされるかもしれない」「飲みすぎて二日酔いになるかもしれない」など。
自分にとって大小いろいろなリスクがあります。
そのいろいろなリスクをクラス分けする考え方がありまして、そのうちの一つが「移転すべきリスク」。
- 無視すべきリスク = 放っておいてOK
- 予防すべきリスク = 予防できるので予防
- 回避すべきリスク = 近寄らない
- 移転すべきリスク = 保険に入っておく


- 少しのお金で大きなお金を補償してもらう
- 自分にとって大きなリスクは移転する
この2つの考え方は、地震保険に限らず、あらゆる保険を選ぶ際の大事なポイントの一つなので、この考え方を意識しながら地震保険を選んでみてください。
地震保険の内容
地震保険は「定額補償」
保険は「実費補償」と「定額補償」があります。地震保険は「定額補償」です。ちなみに火災保険は「実費補償」です。
- 実費補償とは
-
1円から1円刻みで、実際にかかったお金を補償します。たとえば、自宅の修理代が999,999円かかったとしたら、999,999円のお金がもらえます。
- 定額補償とは
-
最初にいくら補償されるか設定します。金額または%で設定します。たとえば、補償額100万円を設定していた場合、自宅を修理すると100万円のお金がもらえます。
地震保険金をもらう流れ
地震保険金をもらう流れは以下のとおりです。
鑑定士などのプロだけでなく、保険会社の社員も被災地に派遣されます。地震・噴火・津波は一度起きると広範囲になるので、人手が必要だからです。
地震保険「認定基準」をベースに1軒1軒訪問して査定していきます。それによって、地震保険がいくらもらえるか決まります。「全損(100%)」「大半損(60%)」「小半損(40%)」「一部損(5%)」の4区分です。
後日、査定によって決まったお金が希望の口座に振り込まれます。
鑑定士などのプロだけでなく言わばシロウトである保険会社の社員が査定します。また、国→保険会社→社員へ被災者救済指令が出るようです。そのため、査定が甘くなりやすいようです。とはいっても「責任準備金」が限度になります。




いくらもらえる?~全損・大半損・小半損・一部損~
地震保険はいくらもらえるの?条件は?
一番大事なところですよね。まずは下の表を見てみてください。どの保険会社でも使われている地震保険の認定基準表です。


建物は、大きく分けて2つの条件項目があります。
- 「基礎・柱・壁・屋根(主要構造部)などの損害」
- 「焼失・流失した部分の床面積」
①は、主に、地震の揺れ、地震による火災、噴火・津波、土砂崩れを想定していると思います。②は、主に、地震の揺れ以外(地震による火災、噴火・津波、土砂崩れ)を想定していると思います。
「損害の状況」の数字(%)に合わせて「保険金が支払われます」。
100%、60%、40%、5%の4つの区分で、また、定額で、お金をもらえます。
たとえば、地震保険1,000万円かけている場合、「支払われる保険金 100%」の条件に当てはまると1,000万円もらえます。「損害の状況(建物)」が「支払われる保険金 5%」に当てはまると50万円もらえます。


ただ、このよくある認定基準表は、あくまで地震保険の条件に関する情報の一部です。
実は「約款・しおり」という説明書のようなものにその他の条件が書いてあるんです。
それをそのまま見ても分かりづらいので、なるべく分かりやすいように、下の方に、条件についてもうすこし具体的にわかるものをまとめてみました。
参考にしてみてください。
条件は、建物の構造によって違います。
- 建物の構造とは
-
その建物がどんな素材で造られているかを表しています。代表的なものに木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造。
すべて読むと大変だと思うので、自分の家の構造のところだけ見てもらえればいいと思います。
家財については最後に書いてあります。
例:地震保険金が最高1,000万円の建物
建物の構造別に、順番に見てきましょう。
木造


木造の場合、「主要構造部」に被害があった時に地震保険のお金がもらえます。
- 主要構造部とは
-
基礎、柱、壁、屋根のことです。建物のメインとなる部分ですね。


主要構造部の「損傷割合」におうじて基礎・柱・壁・屋根それぞれの「数字(%)」を足し算していきます。
たとえば、2階建ての木造住宅が地震の被害にあって、「損傷した屋根面積」が全体のうち「60%」、「損傷した外壁面積」が全体のうち「70%」、「損傷した柱数」が全体のうち「3%」、「損傷したコンクリ長さ」が全体のうち「5%」の場合
「5」「20」「8」「2」を足して、「35%」


「35%」は、「小半損」になるので、300万円もらえますね。


例:地震保険金が最高1,000万円の建物


木造の場合、「基礎」が傾いた時にも地震保険のお金がもらえます。


さきほどは「損傷割合」におうじて「数字(%)」を足し算していきましたが、基礎が約3°傾いた場合は即座に「全損」です。
なので、1,000万円もらえますね。


例:地震保険金が最高1,000万円の建物


木造の場合、津波の被害があった時は、津波専用の条件があります。(鉄骨造(共同住宅以外=戸建)の場合もです。下の方でおなじように解説しています。)
「損傷割合」におうじて、また、平屋or平屋以外で、それぞれ「全損・大半損・小半損・一部損」を出します。津波の場合は、「建物がどのぐらい水に浸かったか」によって決まり、シンプルな条件になっています。


たとえば、2階建ての木造住宅が津波の被害にあって、地面から180cm水に浸かった場合
「大半損」になるので、600万円もらえますね。




例:地震保険金が最高1,000万円の建物


木造の場合、地盤液状化の被害があった時は、地盤液状化専用の条件があります。
「損傷割合」におうじて、それぞれ「全損・大半損・小半損・一部損」を出します。地盤液状化の場合は、「建物がどのぐらい地面に沈んでいるか、どのぐらい傾いているか」によって決まり、シンプルな条件になっています。


たとえば、2階建ての木造住宅が地盤液状化の被害にあって、約1°傾いた場合
「大半損」になるので、600万円もらえますね。


例:地震保険金が最高1,000万円の建物
鉄骨造


鉄骨造の場合、木造とちがう別の条件があります。「主要構造部」うんぬんではなく、建物全体をみて「沈下」「傾斜」「部分的被害(ひび割れなど)」被害があった時に地震保険のお金がもらえます。
- 沈下とは
-
建物が地面より下に沈むこと。
- 部分的被害とは
-
鉄骨造の場合、「ひび割れ」「建具不良」「外壁の剥離、浮き、崩落」「破壊」のこと。
ここでいう「傾斜」とは、「傾斜+沈下」。つまり、沈下したことで傾くことが条件です。沈下がなく傾くだけは条件としてダメみたいです。




鉄骨造が地震被害にあった時は、沈下・傾斜の「損傷割合」におうじた「数字(%)」と部分的被害の「損傷割合」におうじた「数字(%)」を足し算します。
沈下・傾斜の数字(%)は、「沈下」or「傾斜(+沈下)」のどちらか大きい方を採用。
「沈下・傾斜」の数字の出し方はシンプルだけど、部分的被害はなんだかややこしい感じ。
部分的被害の数字%の出し方は、以下のとおり。
- 全部で4項目ある数字(%)をそれぞれすべて出す
- その中からいちばん大きい数字(%)を採用


沈下、傾斜、部分的被害すべての被害があったケースはどうなる?
たとえば、2階建ての鉄骨造住宅が地震の被害にあって、「沈下が15cm」だったので「3%」、「傾斜が2.0°」だったので「全損」、「部分的被害」の中でいちばん大きい数字が「25%」だった場合
まずは、「沈下」と「傾斜(+沈下)」のどちらか大きい方を採用するので、「全損」を採用。
片方が「全損」の場合は、足し算ではなく、大きい方を採用。
つぎに、傾斜(+沈下)「全損」と部分的被害「25%」をくらべて、大きい方の傾斜「全損」を採用。
片方が「全損」の場合は、足し算ではなく、大きい方を採用。


「全損」は、1000万円もらえますね。




例:地震保険金が最高1,000万円の建物


鉄骨造の場合、津波の被害があった時は、津波専用の条件があります。
ここでいう鉄骨造は、戸建です。共同住宅ではありません。
「損傷割合」におうじて、また、平屋or平屋以外で、それぞれ「全損・大半損・小半損・一部損」を出します。津波の場合は、「建物がどのぐらい水に浸かっているか」によって決まり、シンプルな条件になっています。


たとえば、2階建ての木造住宅が津波の被害にあって、地面から180cm水に浸かった場合
「大半損」になるので、600万円もらえますね。




例:地震保険金が最高1,000万円の建物


鉄骨造の場合、地盤液状化の被害があった時は、地盤液状化専用の条件があります。
ここでいう鉄骨造は、戸建です。共同住宅ではありません。
「損傷割合」におうじて、それぞれ「全損・大半損・小半損・一部損」を出します。地盤液状化の場合は、「建物がどのぐらい地面に沈んでいるか、どのぐらい傾いているか」によって決まり、シンプルな条件になっています。


たとえば、2階建ての木造住宅が地盤液状化の被害にあって、約1°傾いた場合
「大半損」になるので、600万円もらえますね。


例:地震保険金が最高1,000万円の建物
鉄筋コンクリート造


鉄骨造とおなじように鉄筋コンクリート造の場合、木造とちがい別の条件があります。「主要構造部」うんぬんではなく、建物全体をみて「沈下」「傾斜」「部分的被害(ひび割れなど)」被害があった時に地震保険のお金がもらえます。
- 沈下とは
-
建物が地面より下に沈むこと。
- 部分的被害とは
-
鉄筋コンクリート造の場合、「ひび割れ」「潰れ」「鉄筋の曲がり」「破壊」のこと。
ここでいう「傾斜」とは、「傾斜+沈下」。つまり、沈下したことで傾くことが条件です。沈下がなく傾くだけは条件としてダメみたいです。




鉄筋コンクリート造が地震被害にあった時は、沈下・傾斜の「損傷割合」におうじた「数字(%)」と部分的被害の「損害割合」におうじた「数字(%)」を足し算します。
沈下・傾斜の数字(%)は、沈下と傾斜(+沈下)どちらか大きい方を採用。
鉄筋コンクリート造の「損傷割合」と「数字(%)」は、鉄骨造とすこしだけ違います。そのほか計算方法はまったく同じです。
「沈下・傾斜」の数字の出し方はシンプルだけど、部分的被害はなんだかややこしい感じ。
部分的被害の数字%の出し方は、以下のとおり。
- 全部で4項目ある損害の状況(%)をそれぞれすべて出す
- その中からいちばん大きい数字(%)を採用


沈下、傾斜、部分的被害すべての被害があったケースはどうなる?
たとえば、2階建ての鉄筋コンクリート造住宅が地震の被害にあって、「沈下が10cm」だったので「3%」、「傾斜が2.0°」だったので「全損」、「部分的被害」の中でいちばん大きい数字が「5%」だった場合
まずは、「沈下」と「傾斜(+沈下)」のどちらか大きい方を採用するので、「全損」を採用。
片方が「全損」の場合は、足し算ではなく、大きい方を採用。
つぎに、傾斜(+沈下)「全損」と部分的被害「5%」をくらべて、大きい方の傾斜「全損」を採用。
片方が「全損」の場合は、足し算ではなく、大きい方を採用。


「全損」は、1000万円もらえますね。




例:地震保険金が最高1,000万円の建物
区分所有建物の専有部分(マンション・アパート)


区分所有建物の専有部分は、独自の条件があります。
- 専有部分とは
-
マンション・アパートの部屋のこと。廊下やエレベーターなどの共用部分と専有部分に分かれています。
部屋の「傾き」、床・天井の「損傷の数」、壁の「ひび割れ・浮き)」被害があった時に地震保険のお金がもらえます。
- 部屋全体の傾き
- 床・壁・天井の被害
これらに注目するみたいですね。
マンションに被害が出るイメージが湧かない..
写真で確認してみましょう。






こんな感じです。
マンション自体は頑丈で倒壊することは滅多にないと思いますが、このようにひび割れが出ることもあるみたいです。
専有部分の場合、部屋の傾き、床・壁(内壁)・天井それぞれ「損傷割合」におうじた「数字(%)」を出して、それぞれを足し算します。
「部屋がどれだけ傾いたか」「床・壁・天井がどのぐらい損傷があるか」によって決まります。


たとえば、マンションの自宅が地震の被害にあって、「部屋が0.3°傾いた」ので「7%」、「天井のひび割れが複数あり20%分」だったので「1%」、「乾式の壁のひび割れや浮きが複数あり10%分」だったので「合計2%」、「床のひび割れが複数あり25%分」だったので「1%」だった場合
「7」「1」「2」「1」を足して、「11%」


マンション・アパートの火災保険金額は1200万円ぐらいが多いので、その半分の600万円が地震保険金額とします。
「11%」は、「一部損」になるので、30万円もらえますね。


さきほどの専有部分の表の数字を見る限り、「全損や大半損」になりにくいですよね。ただ、この表はあくまで“目安”です。実際は、被災者救済のために査定のための条件が多少変動するようです。
個人的には、マンション・アパートの方は、家財をメインに地震保険をかけておくと良いと思います。家は不動産、家財は動産といわれます。家財は、地震の揺れでバタバタと倒れて壊れやすいですよね。
つぎの項目で家財についてまとめているので、ご参考ください。
家財


家財は、独自の条件があります。
家財にはいろいろ種類がありますよね。ソファ、TV、冷蔵庫など。
その種類ごとに「5つのカテゴリー」に分けられます。
- 食器
- 電気器具
- 家具
- そのほか身の回り品
- 衣類・寝具
一つのカテゴリーの中の「品目」に損傷あるか無いかを査定していきます。
「電気器具」の品目の例
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- PC
- TV
- エアコン
下の表のようなものを参考にして、地震保険金をいくらもらえるか査定していきます。


たとえば、「食器」が割れたので「1%」、「冷蔵庫、PC、TV」が倒れて壊れたので「2.5%×3品目=7.5%」、「食器棚、イス」が倒れて壊れたので「4%×2品目=8%」、「カメラ、レジャー用品」が何かに押しつぶされて壊れたので「2.5%×2品目=5%」、「寝具」の上に物が落ちて壊れてしまったので「15%」
「1」「7.5」「8」「5」「15」を足して、「36.5%」


家財の火災保険金額が500万円とすると、その半分の250万円が家財の地震保険金額になります。
「36.5%」は、「小半損」になるので、75万円もらえますね。


家財についての情報は、非公式です。保険会社が公式で公開している情報が残念ながらありません。
ただ、明確な基準が公開されていないということは、保険会社(査定する社員)のさじ加減で査定を多少変えられるのではと個人的に思っています。被災者救済が第一ですし、過去の震災対応をみるとそのように感じます。
保険料はいくらかかる?


- イ構造とは
-
木造以外の構造(鉄骨造や鉄筋コンクリート造など)。
- ロ構造とは
-
木造のこと。
地震保険の保険料はシンプル明解です。
「建物の構造」と「自宅の場所(都道府県)」によって単価が決まっています。
その単価をもとに、地震保険をいくら掛けたいかによって年間保険料が決まります。
上の表を参照しながら解説します。
地震保険料は、地震保険金額100万円あたりの「単価」が決まっています。
たとえば、東京都にある木造(ロ構造)の自宅。
単価は4,110円
地震保険1,000万円かけたとします。地震保険金額100万円あたり4,110円なので、4,110円×10(※)=41,110円の年間保険料になります。
※10=1000万円÷100万円
ちなみに表の赤枠の計算式は、「建築年割引10%」が適用されています。41,110円から10%割引されるということです。41,110円×0.9=36,999円と出ますが、四捨五入して37,000円の年間保険料になります。
- 建築年割引とは
-
地震保険には4種類の割引があります。そのうちの一つです。10%分の割引ができる条件は、「自宅の建築年が1981年(昭和56年)6月1日以降」であること。
以上の方法で、自分の住んでいる「建物の構造」と「自宅の場所(都道府県)」に沿った「単価」で簡単に保険料を計算できます。
地震保険の注意点
地震保険で補償できない主なケースは以下のとおりです。
- 地震・噴火・津波が発生した日の翌日から10日経過後に生じた「不幸」
- 地震・噴火・津波が発生した後の「紛失または盗難」
- 門、塀、垣のみの「不幸」
- 車やバイクの「不幸」
地震・噴火・津波が発生して10日経った後の「不幸」は、原因が本当に地震・噴火・津波なのか曖昧だからです。
地震などの災害が起きると、残念ながら泥棒が被災宅に目を付けます。こちらもまた原因が地震・噴火・津波なのか曖昧になるからですね。
門・塀・垣は、火災保険では補償されますが、地震保険ではすみ分けされて補償できないルールになっています。
車やバイクは、自動車保険で補償するようになっていて、こちらもまたすみ分けされています。
シミュレーション
登場人物を使って地震保険の全体像をみると、より理解しやすいと思います。
主な登場人物は、契約者と保険会社と国です。


地震保険は、一般的な保険とはちがって、保険会社と国の共同でつくられています。(ちなみに、火災保険など一般的な保険に比べて、保険会社が得る利益も少なくなっています。おそらく本来の利益分を国に再保険料として支払っているんだと思います。)
共同でつくられている理由は..
- 予測がしづらい(いつ起きる?頻度は?)
- 規模が大きい(震度〇〇!?)
- 規模が広い(一度の災害で被害が広範囲)
地震はこのような特徴があるからです。
相手は自然なので当然といえば当然ですね。だから、保険会社だけでは心もとないので、国が主導で保険会社といっしょに地震保険をつくっています。
火災保険など一般的な保険はちがいます。
たとえば、火災保険でいう火災。
- 予測しやすい = 統計を取りやすい
- 規模が限定 = 1軒or数軒
このように、地震保険と地震保険以外はちがうんですね。


- 再保険とは
-
保険に保険をかけることです。保険会社も保険に入るんです。地震保険以外の一般的な保険が再保険の仕組みを利用しています。
借金をするときの連帯保証に置きかえるとわかりやすいかもしれません。
- 再保険会社とは
-
保険の保険を取り扱っているのが再保険会社です。
借金をするときの連帯保証人のようなものですね。
- 再保険料とは
-
保険に保険をかけるときの保険料のことです。連帯保証のように無料でお願いできません。契約者の保険料の一部が再保険料になっています。
地震保険の場合、国も再保険会社の代わりになってくれます。(※地震保険以外の一般的な保険は、国は関わりません。)
もしも保険会社が契約者を補償できなくなった場合、国に助けてもらえます。契約者は安心ですね。
地震保険に入る前と後
さきほど出てきた地震保険の1つ目の考え方、少しのお金で大きなお金を補償してもらうこと。保険の種類を問わない共通の考え方。
この考え方を使って解説していきます。
契約者と保険会社と国。
それぞれどのような関係でいるのか、契約者を中心に、地震保険に入る前と後を整理します。
地震保険に入る前
契約者 | 保険会社 | 国 | |
---|---|---|---|
なぜ | 少しのお金(保険料)で 大きなお金(保険金)を補償してもらうため | 被災者の生活の安定に寄与する(+サービスを提供して利益を得るため ) | 被災者の生活の安定に寄与するため |
いつ | 地震保険に入る時 | ||
なにを | お金(保険料)を払う | お金(保険料)をもらう | お金(再保険料)をもらう |
どうやって | ネットや代理店を通じて |
地震保険に入った後
契約者 | 保険会社 | 国 | |
---|---|---|---|
なぜ | 少しのお金(保険料)で 大きなお金(保険金)を補償してもらうため | 被災者の生活の安定に寄与する(+サービスを提供して利益を得るため ) | 被災者の生活の安定に寄与する |
いつ | 不幸が起きた時 | ||
なにを | お金を(保険金)をもらう | お金(保険金)を払う | お金(再保険料)をもらう |
どうやって | ネットや代理店を通じて |
「不幸」が起きる前と後
お金の面から、不幸が起きる前と後をみていきます。
「不幸」が起きる前
「不幸」が起きる前は、日々の生活の「収入」と「支出」が安定していますよね。
「不幸」が起きた後
ここでも先ほど出てきた「少しのお金で大きいお金を補償してもらう」と「リスクが大きいと思う事柄は、移転すべきリスク」という考え方を使います。
では、「不幸」が起きた後はどうなるでしょうか?
たとえば、下図のようになります。


収入が減って、支出が増えます。あくまで一例ので、最悪の事態を想定しておきます。
「収入が減った分+支出が増えた分」のお金は、大きいですか?小さいですか?それとも、移転すべきですか?無視すべきですか?


「不幸」が起きた後、自宅はどうしますか?
お金の面で大変だとしても、住む場所を確保しないといけないですよね。
被災者は主に4つの選択肢があります。
- 修理
- 建て替える
- 住み替える
- 賃貸住まい










イメージ図の[?]の部分は、『修理)』、『建て替える』、『住み替える』または『賃貸住まいにする』のどれかによって変わります。
- 自宅を修理 ⇒ 修理費用
- 自宅を建て替え ⇒ 建て替え費用
- 自宅を住み替え ⇒ 住み替え費用
- 賃貸住まいにする ⇒ 引っ越し費用
- 建て替えとは
-
場所(土地)は変えず、新しい自宅を購入すること。
- 住み替えとは
-
場所(土地)を変えて、新しい自宅を購入すること。
『修理』の場合、お金さえあれば何とかなりますね。貯金でまかなうか、地震保険でまかなうか。
一方、自宅を『建て替える』場合と『住み替える』場合も、お金さえあれば何とかなります。同じように貯金でまかなうか、各種ローンを利用するか、地震保険でまかなうか。
ただ、被災した自宅の「住宅ローン」が残っているか残っていないかでそのあとの選択肢が変わってきます。
「不幸」が起きた後をもうすこし具体的に整理していきます。
住宅ローンの予備知識2つ
住宅ローンについてのちょっとした知識を知っておくと、この後のシミュレーションを理解しやすいです。
住宅ローンについてちょっとした知識2つ..
- 二重ローンはNG
- 自宅を売却するにはローン完済が必要
二重ローンはNG


- 二重ローンとは
-
二重ローンという正式な言葉はないようです。旧住宅ローン分と新住宅ローンの2つ分のローンを利用している状態をいいます。
自宅の住宅ローンが残っている場合、別のあたらしいローンは基本的に利用できません。住宅系ローンは2つ存在してはいけないんです。
ただ、二重ローン状態が認められる例外ケースがあります。
例外ケースは、「単純に、旧自宅のローンと新住宅ローンのダブルローン(以下、「単純二重ローン」)」、「建て替えローン」と「住み替えローン」の3つのケース。
- 単純二重ローンとは
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この記事内の造語です。新居に住み始めてから旧居の売却&引き渡しができるケース。一時的であれば、金融機関が二重になることを特別に認めるんです。
「単純二重ローン」は不可能ではないですが、非現実的だと思います。
なぜなら、審査基準はローン1つ分だからです。
どういうこと?
住宅ローンは、一年間で返済する金額をいくらまでにしないといけないでしょうか?
一般的に、年収のうち約30%以内ですよね。
たとえば、年収500万円の人は、年間150万円の返済になります。
つまり、「単純二重ローン」は実質、1つ分のローンになります。
多くの人は、約30%分めいっぱいお金を借りていますよね。
これ以上はお金を借りられない、ということです。
つづいて、「建て替えローン」と「住み替えローン」のケース。




旧居のローンの残りと新しいローンを一つにまとめた分をそれぞれ「建て替えローン」と「住み替えローン」と言います。
- 「建て替えローン」とは
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被災した自宅の住宅ローン残債と建て替え費用(ローン)を一本化して、借り換える形です。
- 「住み替えローン」とは
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被災した自宅の住宅ローン残債と住み替え費用(ローン)を一本化して、借り換える形です。被災した自宅を売却することが前提です。
単純二重ローンとおなじように非現実的だと思います。
なぜなら、さきほどの「単純二重ローン」とおなじ考え方で、多くの人は、すでに約30%分めいっぱいお金を借りているはずだからです。
「建て替えローン」も「住み替えローン」も、一本化した額はそれなりの金額なはずです。
これ以上はお金を借りられない、という状況が現実だと思います。
住宅ローンは、1人1ローン。
自宅を売却するにはローン完済が必要
つぎに、自宅を売却するには住宅ローン完済が必要なこと。
理由は、抵当権がついたままだから。
- 抵当権とは
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住宅ローンでお金を貸した側の金融機関がもっている権利のこと。目的は、“ちゃんと返済してもらう”ため。返済者がローン返済ができなくなった時に、自宅を売却する権利&その売却代金を返済の代わりに受け取る権利のことです。
住宅ローンが残っている=自宅に金融機関の抵当権が付いている、ということなんですよね。
お金を貸した側(金融機関)の立場として、ローン完済が最優先なんだと思います。
住宅ローンを完済すると、抵当権を無くせるようになっています。つまり、売却ができるようになります。
では、住宅ローンを完済する方法を整理します。
住宅ローンを完済する方法
- 貯金で完済
- 自宅を売却して完済
ん?ローンが残っていると売却できないのでは?
2.の方法は、売却で得たお金をローン完済に充てたケースです。
つまり、ローンが残っているから絶対に売却できないわけではありません。ローン完済を金融機関に約束すれば、自宅は売却可能なんです。
ただ、売却できればの話だよね。
そのとおりで、売却できた時の話です。買い手が見つからなかったらローン完済できません。
被災した自宅なんて、なおさら売れない気がする。
その心配はありますね。
貯金で完済できればいいですが、自宅を売却して完済するハードルは決して低くはないですよね。
被災した自宅は売り物にならないかもしれない。そのまま売却できるのか?修復してから売却するのか?取り壊して土地だけ売却するのか?いずれにせよ、プラスのお金がかかりそうです。
このあとに出てくる「住み替え」にかかわる話なので、住み替えを検討する方は頭の片隅に置いておいてください。
「不幸」が起きた後 -具体的に-
自宅に「不幸」が起きた後、被災者は主に4つの選択肢がありましたね。
- 修理
- 建て替える
- 住み替える
- 賃貸住まい
それぞれの選択(=目的)、かかるお金(=費用)、そのお金を何でまかなうか(=手段)、被災した自宅はどうすれば良いか(=処分方法)、シミュレーションをしてみます。
ここから「修理」「建て替え」「住み替え」「賃貸」の4つの選択肢について解説します。
すこし長いので、自分に関わりがありそうな選択肢を参考にしてみてください。
修理


修理する場合、イメージにすると上の表のような感じです。
修理の場合は、被災した自宅のローンが完済されているのかローンが残っているかどうかは関係ありません。
修理は、主に修理代がかかりますね。修理の内容によりますが、一般的に30~300万円ぐらいでしょうか。
30~300万円か..


自分にとって大きな金額、移転すべきと思った金額かどうか。また、貯金が心もとないかどうか。地震保険も前向きに検討してみるのもいいかもしれません。
メリット | デメリット | |
修理 【ローン完済】 | 愛着のあるおなじ土地に住める。 | 同じ土地なので、また災害が起きるかもしれない。 |
貯金 | 特になし。 | 貯金がなくなる。 |
地震保険 | 貯金を使わずに済む。 | 地震保険料を支払っていたこと。 |
メリット | デメリット | |
修理 【ローン残っている】 | 愛着のあるおなじ土地に住める。 | 同じ土地なので、また災害が起きるかもしれない。 |
貯金 | 特になし。 | 貯金がなくなる。 |
地震保険 | 貯金を使わずに済む。 | 地震保険料を支払っていたこと。 |
修理の場合、被災した自宅を修理さえできれば良いですよね。また、お金さえあれば大丈夫です。
建て替え


建て替えの場合、イメージにすると上の表のような感じです。
建て替えるということは、自宅の被災の程度がそれなりに大きいということですね。同時に、お金もそれなりにかかります。
建て替えは、建物代がかかりますね。土地代はかかりません。地域によりますが、建物代のみですと一般的に1500~2500万円ぐらいでしょうか。
1500~2500万円か..


自分にとって大きな金額、移転すべきと思った金額かどうか。また、貯金が心もとないかどうか。地震保険も前向きに検討してみるのもいいかもしれません。
「不幸」が起きた時に、住宅ローンを完済していれば、何とかなるかもしれません。なぜなら、またあたらしく住宅ローンを組めばいいからです。貯金がなくても、地震保険がなくても、住宅ローンがあります。
厄介なのは、住宅ローンが残っている場合です。
さきほどの、住宅ローンのちょっとした知識で触れました。二重ローン状態は難しいんですよね。
ローンがまだまだ残っている期間、貯金が心もとない間は、地震保険も前向きに考えてもいいかもしれないですね。
ローンが残り僅か、貯金もけっこう貯まってきた、という方は地震保険に無理して入らなくいいかもしれないですね。
メリット | デメリット | |
建て替え【ローン完済】 | 愛着のあるおなじ土地に住める。 | 同じ土地なので、また災害が起きるかもしれない。 |
貯金 | あたらしくローンを組まなくていい。 | 貯金がなくなる。 |
新しいローン | 貯金を使わずに済む。 | 特になし(今までとおなじ) |
地震保険 | 貯金を使わずに済む。 | 地震保険料を支払っていたこと。 |
メリット | デメリット | |
建て替え【ローン残っている】 | 愛着のあるおなじ土地に住める。 | 同じ土地なので、また災害が起きるかもしれない。 |
貯金 | あたらしくローンを組まなくていい。 | 貯金がなくなる。 |
住み替えローン | 貯金を使わずに済む。 | 二重ローン状態。そもそもローンを組めるかどうか.. |
新しいローン | 貯金を使わずに済む。 | 二重ローン状態になる。そもそもローンを組めるかどうか.. |
地震保険 | 貯金を使わずに済む。 | 地震保険料を支払っていたこと。 |
住み替え


住み替えは建て替えとおなじ考え方で、イメージにすると上の表のような感じです。
住み替えるということは、建て替えとちがって、建物代だけでなく土地代もかかります。地域によりますが、新たにマイホームも購入するには一般的に2500~5000万円ぐらい必要でしょうか。
2500~5000万円か..


自分にとって大きな金額、移転すべきと思った金額かどうか。また、貯金が心もとないかどうか。地震保険も前向きに検討してみるのもいいかもしれません。
「不幸」が起きた時に、住宅ローンを完済していれば、何とかなるかもしれません。なぜなら、またあたらしく住宅ローンを組めばいいからです。貯金がなくても、地震保険がなくても、住宅ローンがあります。
厄介なのは、住宅ローンが残っている場合です。
さきほどの、住宅ローンのちょっとした知識で触れました。二重ローン状態は難しいです。
ローンがまだまだ残っている期間、貯金が心もとない間は、地震保険も前向きに考えてもいいかもしれないですね。
逆に、ローンが残り僅か、貯金もけっこう貯まってきた、という方は地震保険に無理して入らなくいいかもしれないですね。
メリット | デメリット | |
住み替え【ローン完済】 | あたらしい土地、最新の建物に住める。 | 慣れない環境になる。土地代の分、さらにお金がかかる。 |
貯金 | あたらしくローンを組まなくていい。 | 貯金がなくなる。 |
新しいローン | 貯金を使わずに済む。 | 特になし(今までとおなじ) |
地震保険 | 貯金を使わずに済む。 | 地震保険料を支払っていたこと。 |
メリット | デメリット | |
住み替え【ローン残っている】 | あたらしい土地、最新の建物に住める。 | 慣れない環境になる。土地代の分、さらにお金がかかる。 |
貯金 | あたらしくローンを組まなくていい。 | 貯金がなくなる。 |
住み替えローン | 貯金を使わずに済む。 | 二重ローン状態。そもそもローンを組めるかどうか.. |
新しいローン | 貯金を使わずに済む。 | 元々の住宅ローン完済=売却しないとダメ。売却額だけで完済できるかどうか.. |
地震保険 | 貯金を使わずに済む。 | 地震保険料を支払っていたこと。 |
賃貸住まい


賃貸住まいの場合、イメージにすると上の表のような感じです。
賃貸は、主に引っ越し代(不動産仲介手数料など)がかかりますね。引っ越しの内容によりますが、一般的に30~50万円ぐらいでしょうか。
30~50万円か..


自分にとって大きな金額、移転すべきと思った金額かどうか。また、貯金が心もとないかどうか。地震保険も前向きに検討してみるのもいいかもしれません。
修理とおなじで、お金さえあれば何とかなります。個人的には移転すべき金額ではありません。
ただ、住宅ローンがまだまだ残っている場合は話が変わってきますね。
賃貸住まい後も毎月の家賃といっしょに住宅ローンを返済し続けなければいけません。
被災した自宅を売って、住宅ローンを返済してしまえばいいのでは?
そのとおりです。
ただ、売却するにはいくつかハードルがあります。
自宅を売却する際のハードル
- 買い手が見つかるか
- 被災した自宅を買ってくれるのか
- 修繕してからでないと売れないかも
- 土地だけしか売れないかも
- 売却して得たお金は、完済するのに十分な金額か
さきほどの【住宅ローンの予備知識】の【自宅を売却するにはローン完済が必要】で解説しました。
もちろん一概には言えません。住宅ローンが残りわずかであれば、売却額で住宅ローンを返済できるかもしれません。被災した地域に移住して家を持ちたい方もいるかもしれません。
メリット | デメリット | |
賃貸住まい 【ローン完済】 | 早く住める。 | 引っ越し先による。 |
貯金 | 特になし。 | 貯金がなくなる。 |
地震保険 | 貯金を使わずに済む。 | 地震保険料を支払っていたこと。 |
メリット | デメリット | |
賃貸住まい 【ローン残っている】 | 早く住める。 | 引っ越し先による。 |
貯金 | 特になし。 | 貯金がなくなる。 |
地震保険 | 貯金を使わずに済む。 | 地震保険料を支払っていたこと。 |
住宅ローンが残っていたら地震保険に入らないといけないの?
共働き世帯でしたら地震保険や住宅ローンの事で悩まなくていいかもしれません。
万が一、住宅ローンが残っている状態で自宅が被災した場合、夫婦の片方の住宅ローン枠が埋まっていたとしても、もう片方の配偶者があたらしく住宅ローンを申し込めるかもしれません。
さいごに
- 保険とは、財産(自宅&家財)に不幸が起きた時に、お金を受け取れるサービス
- 保険とは、少しのお金で大きなお金を補償してもらうサービス
- 移転すべきリスク(=保険に入るべきリスク)を考える
- もらえるお金は、自宅&家財を「元通り」にするためのお金
最近は、震災だけにとどまらず想定外の事態が多いですよね。
備えられるものは備えて、保険の事なんか忘れて、今を楽しく過ごしたいですね。
地震保険はいつでも入れます。思い立ったが吉日です!