
火災保険に入ろうとはしている。でも、具体的にどんな内容なの?どんな時に補償されるの?
という方向けの記事です。



保険に入るのって一苦労ですよね。まずは内容を整理してみましょう。
火災保険の補償は、火事が起きた時だけではなく、実はいろいろあります。一つ一つ見ていきましょう。
この記事でわかることは..
- 火災保険で補償されるもの
- 火災保険が使えるタイミング
- 火災保険の概要
逆に補償されないケースを知りたい方→【火災保険の補償範囲【免責編】~補償されないケース~】
具体的な内容を知る前に、火災保険の基本的な所を知りたい方は→【火災保険とは?】
おすすめ特約を知りたい方→【あとからでも追加したい、火災保険のおすすめ特約は?】
そもそも何が補償されるの?
自宅、家財、建物付属設備、屋外設備(門・塀・垣など)、庭木
自宅、家財、建物付属設備、屋外設備、庭木に何かあった時に、火災保険が使えます=補償。つまり、自分の「財産」が補償されます。


建物付属設備とは
畳、建具、電気・ガス・冷暖房設備などです。
自宅の中身を担ういろいろな設備のことですね。
下のイメージ図で、「建物付属設備」と「家財」「屋外設備(装置)」のちがいがわかります。
自宅建物に固定されているかどうかがポイントです。固定されていると⇒「建物付属設備」。固定されていない&自宅内にあると⇒「家財」。外にある⇒「屋外設備(装置)。」
黄色マーカー(例⑦)は、「家財」。青色マーカー(例⑪)は、「屋外設備(装置)」。


屋外設備(装置)とは
門・塀・垣、物置、車庫(カーポート)などです。
垣とは、塀がコンクリートでできているのに対して、植物でできているものですね。インターネットで検索するとすぐにイメージできると思います。
物置・車庫(カーポート)を門・塀・垣などと区別して、「付属建物」と表現している保険会社もあります。だからといって補償されないことはありません。ただの呼び方の違いです。
※付属建物のサイズが一定以上大きいと、追加保険料がかかる保険会社もあります。








庭木とは
読んで字のごとく、自宅敷地内の庭にある植物です。お金持ちの家をイメージするとわかりやすいかもしれません。


「元通り」にするためのお金
もうすこし具体的にいいますと、不幸に遭われた財産を「元通り」にするための「お金」が補償されます。


- 不幸とは
-
火災保険でいう不幸とは、財産が「壊れる」「汚れる」「なくなる」状態。
- 元通りとは
-
壊れる・汚れる・なくなる以前の状態にすること。また、もう一度おなじモノを手に入れることです。
- お金とは
-
火災保険でいうお金とは、壊れたり汚れたりなくなったりした自宅&家財を「元通り」にするためのお金。もうすこし具体的にいいますと、修理費、清掃費、再建築費です。


もらえるお金の種類
「元通り」にするためのお金
損害保険金
「元通り」にするためのお金、つまり、壊れる・汚れる・なくなる以前の状態にするためのお金。また、もう一度おなじモノを手に入れるためのお金です。具体的には、修理費、清掃費、再建築費。
「元通り」にするために追加でかかるお金
費用保険金
「元通り」にするためのお金だけでは済まないケースがあります。
火事が起きたら、自宅&家財はどうなりますか?燃えて跡形もなくなるのではありませんよね。ガラクタとなって敷地に残りますよね。
それを取り片づけるためのお金がかかります。
「元通り」にするための再建築費だけではありません。再建築する前にかかるお金が、取り片づけ費用です。
このように、「元通り」にする前後に諸々かかるお金 = 取り片付け費用のお金 = 費用保険金といいます。
保険会社によって、取り片づけ費用のお金以外にもいろいろな費用保険金の種類があります。
詳しくは、下の方の項目【費用保険金の種類】に書いてあります。
どんな時に補償されるの?
不幸が起きた時です
火災保険でいう不幸とは「壊れる」「汚れる」「なくなる」状態になった時。
でも、何も起きていないのに「壊れたり」しませんよね。不幸になる原因が必ずあります。
大きく分けて5つの原因があります。補償される時とは、その原因が起きた時、とも言えます。
不幸になる原因は、「急に」「偶然に」「外から災いが降りかかった」ものでなければなりません。
- 「災い」とは
-
不幸になる原因のことです。
災い=たとえば火災。下の方の項目【5つの不幸カテゴリー】の原因を参考にしてください。
- 「外から」とは
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たとえば、火事を想像してみてください。家自体が勝手に燃えることはありませんので、火災という不幸のすべての原因は、「外から」災いが降りかかったことで起きますよね。
火の不始末、放火も「外から災いが降りかかった」ことになります。
人間に例えると、病気は「内から」の災い、ケガは「外から」の災い、こんな感じです。
補償されない時とは?
「急」「偶然」ではなく不幸が起きた時
たとえば
- 経年劣化
「外から災いが降りかかっていない」のに不幸が起きた時
たとえば
- その財産がそもそも不良品だった
その他にも補償されない例がありますので、気になる方はこちら→【火災保険の補償範囲【免責編】~補償されないケース~】
5つの不幸カテゴリー
火災・落雷・破裂・爆発



破裂・爆発!?



プロパンガスは危ないかもしれません!?
火災保険という名前のとおり、火災が発生した時にはもちろん補償されます。他に、落雷、破裂!?、爆発!?が発生した時も補償されるようになっています。
たとえば?
火災は、ご存じのとおりです。火の不始末、放火も含まれます。
落雷は、イメージどおりです。雷が落ちて自宅・家財を「壊して」しまった。
破裂とは、モノがあって、モノの中身が急激に破けて裂けて飛び出してくるイメージです。たとえば、鍋を食べる時のガスボンベが破裂した時。あとは、プロパンガスが破裂した時。
爆発とは、空気中の何かが、何かに化学反応して、急激に爆発するイメージです。たとえば、ガスが部屋に充満していて火を付けてしまった時。また、近所に危険物を扱う町工場があると、もらい爆発する可能性がありますね。


火災などで自宅に被害があれば、家財もきっと無事ではないですよね。
落雷によって、テレビが「壊れて」しまうかもしれません。


風災・雪災・雹災



フウサイ?ユキサイ?なにサイ?



フウサイ・セツサイ・ヒョウサイと読むらしいです。
風災、つまり、台風が発生した時も補償されます。他に、大雪による雪災、大粒のひょうが落ちてきた時の雹災。
たとえば?
風災=台風によって、屋根の一部が飛んで「壊れて」「なくなった」。
雪災=大雪による雪の重みで、雨どいの一部が「壊れた」。
雹災=大粒の雹によって、自宅に穴が空いて「壊れた」。


風災=台風によって、窓ガラスが割れて、雨風が部屋のカーテンやソファを「汚して」しまうかもしれません。


水災



うちは洪水の心配ないから大丈夫だよ。



地面より下に自宅が位置している場合は、「土砂崩れ」にも注意してください。
水災、つまり、川の氾濫による洪水が発生した時も補償されます。また、排水口のゴミ詰まりによる都市型洪水も水災に含まれます。
たとえば?
水災=洪水によって、自宅が水に流されて「なくなって」しまった。水に流されはしなかったけれど、床上まで浸水して「汚れて」しまった。
山・崖の近くに住んでいるので、土砂崩れによって、自宅が半分埋もれて「壊れて」「汚れて」しまった。




盗難・水漏れ等
たとえば?
泥棒は、何かを「盗む(=なくす)」だけではないみたいです。自宅を「汚したり」、何かを「壊して」帰るかもしれません。
水漏れも、厄介ですね。2階の水道の水を出しっぱなし、排水管が破裂したことで起きてしまいます。水が落ちてきた所にモノが置いてあれば、そのモノが当然濡れて「汚れます」。さらに、天井にはシミが残って「汚れます」。


等?



等って何ですか?



①何かが自宅に突っ込んできた時と、②人の集団による破壊行動
を受けた時です。
保険てこういう所がわかりづらくて嫌ですよね。
イラストを参考にするとイメージが湧きやすいかもしれません。
たとえば、車が自宅に突っ込んできて「壊れた」。
過激な労働争議やデモ活動が起きて、人々が暴れまわって自宅を「壊された」「汚された」。


破損・汚損等(不測かつ突発的な事故)
火災~盗難・水漏れ以外の不幸の事です。
保険会社によって「破損等」「破損・汚損等」「不測かつ突発的な事故」と呼び方は違いますが、内容は同じです。
代表的な例は、自分自身が「壊した」「汚した」時。



また等が出てきた。



等って、けむに巻いてるようで嫌ですよね。
破損にくわえて「汚損」の事や、「火災~盗難・水漏れ以外」の事を言っています。
自分や家族が「壊して」しまった。
自分や家族が「汚して」しまった。
たとえば、子供が転んで壁に穴を開けて「壊した」。コーヒーを買ったばかりのソファにこぼして「汚して」しまった。




費用保険金の種類
費用保険金とは、上の方の項目に書いてある【「元通り」にするためにプラスでかかるお金】の事です。多くの保険会社は、最初から無料で自動的に補償内容に組み込んでいます。代表的な費用保険金をご紹介します。
費用保険金は、保険会社によって違いが出るポイントです。何があって何がないのか、自分にとってどれが必要なのか、慎重に検討することを推奨します。
残存物取り片づけ費用保険金
残存物、つまり火災などでガラクタになってしまった自宅・家財を取り片づけるためのお金。
取り片づけないと、新しい家を建て直せないですよね。また、土地を売ることもできないですよね。
修理付帯費用保険金
「不幸」の原因調査のためのお金。自宅を「元通り」にするまでの間、一時的に過ごすための仮設建物を建てるためのお金。すぐに「元通り」にするために、建設業者さんが深夜勤務・残業勤務するための割増給料のお金。
「元通り」にするための諸々のお金の事です。
損害拡大防止費用保険金
火災・落雷・破裂・爆発の「不幸」が起きた時、消防車が来る前に使った消火器のお金。使った後日、その代金がもらえます。
失火見舞費用保険金
火災・落雷・破裂・爆発の「不幸」が起きた時、かつ、近所に燃え移ってしまった時、近所の方へのお見舞いのお金。
水道管凍結修理費用保険金
凍結によって水道管が「壊れて」しまった時、修理のためのお金。
地震火災費用保険金
地震だけでなく、噴火・津波が原因で火災が起きた時、お金がもらえます。
もらえるお金は、設定している保険金額の5%で、かつ、300万円の限度があります。
たとえば、火災保険を2000万円かけているケース。2000万円×5%=100万円がもらえます。
臨時費用保険金
「不幸」が起きた時、お金がもらえます。
「元通り」にするためのお金の10%、かつ、100万円の限度があります。
たとえば、火災保険を2000万円かけているケース。2000万円×10%=200万円ではなく、100万円がもらえます。
オプション(特約)
代表的な3つ
特約はいろいろあります。ここでは代表的な特約3つを紹介します。
もっと詳しく知りたい方は→【あとからでも追加したい、火災保険のおすすめ特約は?】
類焼損害補償特約
名前は保険会社によって様々ですが、“類焼”という言葉が含まれている特約です。
目的 | その後のご近所付き合いのため |
いつ | 自宅の火災が近所へ燃え移った時、消火活動で水浸しにしてしまった時 |
何を | ご近所さんの自宅・家財を |
どうする | 「元通り」にする |
どうやって | 元通りにしてもらうために、ご近所さんへ保険金を渡す |
実は、失火責任法という法律で、たとえ燃え移ってしまっても責任を取らずに知らんぷりできます。今後のご近所付き合いを考えるとどうですかね。法律上、知らんぷりできたとしても、気が引けますよね。
保険料は月々100~200円程度なので、付けておいた方がいい気がします。
臨時費用補償特約(事故時諸費用特約)
こちらも保険会社によって名前が様々ですが、“費用”という言葉が含まれている特約です。
目的 | 使い道が自由なお金をもらうため |
いつ | 5つのカテゴリーの「不幸」が起きた時 |
何を | 自由(例:当面の生活費や仮住まい費) |
どうする | 自由(使っても使わなくても自由) |
どうやって | 保険金をもらう、以上 |
5つのカテゴリーの「不幸」が起きた時、保険会社からもらったお金の10%のお金をもらえる特約です。
たとえば・・・台風で屋根の修理に100万円かかって、100万円の保険金をもらった。この特約を付けていたので、100万円の10%、10万円をさらにもらった。合計110万円のお金をもらった。
この特約は、保険会社あるいは商品によって、付けておいた方がいい場合、付けなくても大きな問題にはならない場合があります。
- 【費用保険金】が充実している場合→不要(あったらより良い)
- 【費用保険金】が不足している場合→推奨
【費用保険金】については上の方の費用保険金の種類を参考にしてみてください。
なぜなら、保険会社あるいは商品によっては、費用保険金の中に「残存物取り片付け費用補償」が含まれていないからです。
残存物、つまり火災などでガラクタになってしまった自宅・家財。取り片付ける費用は、数百万円します。
残存物を取り片づけるための費用に備えるのが、「臨時費用補償特約(事故時諸費用補償特約)」の代表的な役目です。あくまで代表的な役目なので、もらった保険金の使い道は自由ですよ。
数百万円は大きなお金だと思います。
保険料は月々200~300円程度なので、検討しましょう。
電気的・機械的事故補償特約
こちらも保険会社によって名前が様々ですが、“電気的・機械的”という言葉が含まれている特約です。
電気的・機械的事故 = 「故障」という不幸です。
目的 | メーカー保証の代わりにするため |
いつ | 自宅設備が「故障した(壊れた)」時 |
何を | 自宅設備を |
どうする | 「元通り」にする |
どうやって | 保険金をもらって、元通りにする費用に充てる |
補償金額の限度 | 自宅の保険金額まで |
- 自宅設備とは
-
エアコンや照明設備などの設備です。また、太陽光発電機や床暖房も自宅設備になります。
一例です↓
- メーカー保証
-
何かモノを買うと、たとえば1年間保証がつきますよね。その間に故障しても、設備メーカーが保証してくれます。
保険料は月々250円程度~です。保険料は、補償される金額の限度と、木造・鉄骨造・コンクリート造などの建物構造によってちがいが出てきます。